オーバーヒートの対処法:その1

安全な場所で直ちに停車し、すみやかにエンジンを停止します。

 

状況によっては、「もう少し」と走らせたために、エンジンに深刻なダメージを与えてしまうことも考えられます。異常に気づいたら少しでも早く安全な場所で停車し、すみやかにエンジンを停止しましょう。

 

注意:水温計の針がHマークに至らなくても、Hマーク手前の目盛り付近まで水温が上がる場合は"オーバーヒート気味"です。このような場合は、直ちに停車し、水温が下がるまでアイドリング状態を保つようにします。この段階で対処できれば、シリンダーガスケット破損などの深刻な事態に至らずに済み、水温が下がれば走行できることもあります。

オーバーヒートの対処法:その2

ラジエター本体の冷却液量を点検します。

 

液量のチェック

 

エンジンの発する熱により冷却液は膨張するので、量が増えていてもリザーバータンクのHマーク以内であれば問題ありません。Hマークを超えて量が増えていたり、吹き出した形跡のある場合は、「ラジエターキャップの異常」か、「ガスケット破損」などが考えられます。逆に量がCマーク以下に減っている場合は、漏れ出した可能性が考えられます。

 

※オイルなどの混入がなく、漏れにより冷却液が不足している場合は水道水やミネラルウォーターでも代用可能です。しかし、ミネラル分の多い硬水は基本的に冷却水には向かないので緊急措置として考えましょう。

 

状態をチェック

 

冷却液が白濁している場合は、エンジンオイルなどが混入していることが考えられます。これは、「ガスケット破損」などで、冷却液とエンジンオイルの気密が保たれなくなったために発生します。

オーバーヒートの対処法:その3

エンジンオイルを点検します。

 

点検は、エンジン各部に行きわたったエンジンオイルがオイルパン(オイルのたまる部位)に戻ってから行います。エンジン停止後5分以上待ってから行うのが目安です。
まず、エンジンオイルのレベルゲージ(位置はクルマによって異なりますが、車両取扱説明書に記載されています)を抜き、先端に付着しているオイルを拭き取ります。この際、拭き取りに使ったウエスの糸くずやホコリがレベルゲージに付かないようにします。
次に、レベルゲージを元の位置に差し込み、再度引き抜きます。レベルゲージの先端に付いたオイルが目盛りの間にあればOKです。レベルゲージを元の位置に戻して作業完了です。
エンジンオイルが極端に減っている場合は、整備工場で診てもらいましょう。

 

エンジンオイルに異物が混じっている場合は整備工場へ 。

 

レベルゲージからエンジンオイルを拭き取る際に、金属の粉などの異物がある場合はエンジン内部に異常があることが考えられます。この場合は整備工場で診てもらいましょう。